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パッティングの基本

11 グリーン リーディング


前に眼の動きの項でお話ししましたが、眼は脳が処理をするために種々の情報を集めるために必要なことを私たちは知っています。多くの場合、ほとんど全てですが、この過程は無意識下で行われます。

誰かにボールを投げる時、私たちはボールの重さや相手までの距離がどのくらいか、それに伴ってどのくらいのスピードや弾道でボールを投げたらいいかなど意識的な過程を通してはいません。学ぶ過程では難しかったことが、繰り返しの練習によって出来るようになったボール投げの経験から直観的に投げられます。

グリーンを読めるように学ぶことはパッティングでもっとも難しい課題の一つです、ボールが傾斜によってどのようなスピードでどのように転がり始めるのかを理解する能力にもよります。

パットをする前に二つのことを見極めなければいけません。それらはグリーンスピードとグリーンの傾斜です。

グリーンスピード  

最初に生徒さんはどこのゴルフコースへ行ってもグリーンの速さがどのくらいか見極めなければなりません。簡単に言えば、コースのグリーンスピードを表しているのがパッティンググリーンだと思わなければなりません。今日プレイするコースのグリーンのスピードを知る最も重要な要因だからです。

皆さんも経験からご存じのように、パッティンググリーンでの練習不足は最初の4.5メートルのパッティングを楽しめません、いわゆる“盲目のパッティング”といわれる状況です、グリーン表面を近くから観察することで芝の状態など興味深い情報を得られます、パティンググリーンでの練習以外にはグリーンのスピードを確かめる方法はありません。

生徒さんが練習グリーンの速さを測定し、平らな面でのパットの修正が出来れば、ボールとカップの間の傾斜の学習に移る準備が出来ました。

覚えておきたいヒント-プレイ中、終了したホールのグリーンではパットすることが許されています。ルールで許されていて(後続の組のプレイを妨げない)グリーンの速さをより身につけることが出来るこのオプションのメリットを使いましょう。

グリーンの傾斜  

もし、完全に水平か、垂直の指標になるポイントがあれば、グリーンの傾斜を読むことは簡単です。それらを基準にどのくらいグリーンが傾斜しているか、ボールの進み方にどのように影響するのかも判断できます。実際にはゴルフコースにはそのような完全な指標になるポイントがまれにしかありません。

信頼できるグリーンの傾斜を読む指標が無い場合の一つの方法はラインの両方向から見たときの樹木や電柱、または垂直のラインをもったものなどを参考にしてください。

他の方法で頼りになる指標の作り方は、パターを垂直の指標になるように吊るしてみることです。生徒さんは先に自分が何をしているのかを知らずにいると、慎重になると思います。多くの場合、パターのシャフトは垂直には吊るせません、それはヘッドの重心位置にシャフトの軸線が行っていないからです。その結果、シャフトはヘッドの重心位置から傾いて離れます。

もし、パターが回転するようでしたら、生徒さんが片目で見ている同じプレーン上にシャフトと重心があるようにすれば生徒さんはシャフトが垂直のプレーン上に見えます。どこにパターの重心があるか見極めるには、パターを水平にして片手から一本ずつ指を出し、その上に乗せ指を寄せていくと見つけることが出来ます。生徒さんにシャフトの先に自分の方に向けた点にマーキングをしてもらいます。生徒さんはこのポイントを自分に向けた状態で扉の枠や他の垂直であることが分かっている箇所にパターを吊り下げてテストすることが出来ます。 

生徒さんにはシャフトは先細りしていることを確認してください、そのためパターシャフト側面は扉の枠と完全には沿っていないことがあります。シャフトの反対側の側面をチェックするようにしてもらうと、シャフトの細くなっている先端では同じように少し枠を外れているのがわかります。

グリーンの傾斜を読むのに下げ振り*を使った色々な提案があります。私はこれらの提案を絶対聞かないようにお勧めします、なぜならば下げ振り*はゴルファーとボールそしてカップまでの間がまったく同じ傾斜面にある場合だけしか効果がありません、グリーン上でそのような状況は本当にまれにしかないからです。

*下げ振り:柱などの垂直を測るために円錐形のおもりを吊るした紐

上記したことを心にとめて、脳に的確な情報を伝え、脳が身体にいつ、何をしたら良いか正確な伝達が出来るようにゴルファーはグリーンを読むときにする事柄に優先順位をつける必要があります。

第1番目にすることは、フォールラインが何処にあるか、ボールとカップ間でそのように位置するかを見つけることです。フォールラインとはグリーンに水を流すと水がまっすぐ流れるような上下で曲がりのなりラインを言います。このラインはボールが低い所に転がるためのラインです。もしカップに傾斜がない場合、ボールとカップ周りの平らなエリアまでのフォールラインは確認が必要です。

平均的なグリーンの傾斜は2~3パーセントです。一般的に約10か所、もしくはそれ以上の場所でカップが切れるように、この傾斜以下で設計されています。

傾斜が3パーセントもしくはそれ以上の場合いでは、グリーンのスピードが重要です。たとえば、7パーセントの傾斜でグリーンスピードがスティンプメーターで8.5フィートの設定ではボールは速度を緩めることなく、この傾斜を転がり続けます(HA Temleton の調査より引用)。これを限界勾配と呼べます(この現象が起きる角度を“最大静止角度の境界”と呼びます)。

7パーセントの傾斜とは100インチの距離で7インチの落差があることを言います。肉眼で見てみると、大きな傾斜には見えませんが速いグリーンではスティンプメーターで10~11フィート、もしくはそれ以上のスピードが出ます、7パーセントの傾斜は限界を大きく超えています。事実、信頼できるゴルフコース設計者はそのようなことから3パーセント以上の傾斜を持つグリーンを設計しません。

フォールライン  

カップ周辺のフォールラインが何処かを読む練習の方法は、生徒さんは練習グリーンかコースで使われていないグリーンに行き、自分の眼かラウンドするときに持っている補助になる道具でフォールラインを探してみましょう。周囲にある樹木や、パターを下げ振り(このセクションで垂直をとる手段として説明しました)として、傾斜がどの方向へ向いているのか、何処にあるのかを探しましょう。

判断が出来たら、カップを少し超えるくらいのスピードでボールを転がし、どちらに、どのくらい切れるかを、自分でテストしてみましょう。カップの周りを色々な方向から転がして、左右どちらにも切れないラインを見つけるまで続けましょう。まっすぐ転がるライン、これがフォールラインで何処にあるかわかりました。生徒さんは最初の予測と実際のフォールラインとの違いの成功率に、自分自身で点数をつけることが出来ます。

生徒さんはフォールラインとは何かを知ることが出来ました、パッティングするとボールはどこの位置からパッティングしてもボールはフォールラインに向かい転がることを認識しなければなりません。常にボールはフォールラインに向かって曲がり落ちます。最大の曲がりはフォールラインに対して90度の角度でのパッティングラインです。

3パーセントの傾斜で8フィートのグリーンスピードの場合、フォールラインに90度のパッティングラインで、ボールは約30センチ曲がります、この速度ではボールは最後の約90センチで曲がり始めます(最後の90センチで曲がりが最大になります)。

全部をつなげよう:   

グリーンを読むこと、また読む過程で重要な役割をするプレイヤーの直感的なプレイを手助けするとても良い練習方法は、練習グリーンでボールをカップから3メートルくらいの距離にドロップします。生徒さんに周囲の状況を調べて指標になるものを探してもらい、パットしてもらいます。生徒さんにボールがどのように曲がったか、どのくらいの力加減で打ったのかを見直してもらい、生徒さん自身でグリーンの読み方と結果の達成率を採点してもらいます。同じ場所から生徒さんに一回目の結果から読みと距離の修正をした2度目のパットをしてもらいます。それから次のカップに向かい、同じことを繰り返してもらいます。

グリーンを良く読めるようになるには練習が必要で、その結果徐々にプレイヤーの直感に判断過程をゆだねられるようになります。プレイヤーはパットする前に予測する必要はありません。グリーンを見て、ボールとホール間でどのように曲がるか想定して、傾斜横切る時どのように転がるかを知って、どのくらいの大きさのストロークでその方向に打ち出すか決定したら、パットするだけです。



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