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パッティングの基本

8 リズム


皆さんもご存じのとおり、振り子の周期(回数/一分間)は一定です。この周期を決定する数値は振り子の支点での慣性モーメントです。もし慣性モーメントを変えたければおもりの重量を増やすことで、もしくは減らすことで可能で、周期(回数/一分間)は変化します。

パティングストロークのリズムは、ちょうど子供のブランコを押すように努力しないで達成できる、自然の周期だと考えるべきです。ブランコを始動すると、固有のリズムが構築されます。このリズムは、子供の体重と吊り元からブランコの腰掛ける板までの距離によります。動き始めると、このリズムを保つことは簡単です。

どんなにブランコを大きく押してもいつも同じ周期、またはリズムであることに気づき驚く人たちがいます。大きく押したときは、地面に近いところでは速く動き、それほど大きく押さない時は遅くなっています。周期、一分間に何回ブランコが振れたかは、どちらの場合も同じです。

同じように、ロングパットとショートパットをするときの違いはテイクバックする距離の違いだけです、その結果スウィングの最低点、インパクトでのヘッドスピードが変化することにより距離の違いがでます。このロングパットとショートパットのリズムは同じです。

生徒さんがまだ信用しないようでしたら、簡単な方法でそれをデモンストレートすることが出来ます。 グリップエンドに小さな穴があります、そこにティーペグを刺して親指と人差し指でティーペグをつまみます(これが振り子の支点の代わりになります)。その状態でクラブを振り子のように振ってみましょう。クラブを上げる位置が高くても、低くてもその位置にかかわらず、クラブが振れる周期は同じであることを証明できます。

このように、パッティングストロークにおけるリズムの概念は簡単なものです、そして簡単ですが多くのエラーの原因を取り除き、安定した結果を生むことが出来ます。全ての生徒さんたちは自分の良いリズムを見つけて、自分のものにしてください。

この手法には例外がありますが、充分注意して取り組むべきだと思います。例をあげると、非常に長い距離のパットでとても速いヘッドスピードが必要な時でパターをチッピングするクラブと同じように使う場合の技術は多少変化します。これらは例外的に発生することで、ここでは例外のスウィングと呼ぶことにします。

過去には、パッティングがリズミカルなストロークというより、パンチショットに近いパットをしていたスーパースターと呼ばれるプロがいました。これには、たゆまない練習とその人の才能が要求されます。

生徒さんを納得させるには、前述のデモンストレーションを使いましょう、この方法は良いリズムを理解させパッティングをより易しくし、安定した結果につながります。さて、それではストロークそのものに入って行きましょう。

ティーペグから吊らしたクラブを自然なリズムで振っている間に、生徒さんに親指と人差し指二本でグリップエンドを本当に軽く、リズムを変えることなく持ってもらいます。

次に生徒さんにグリップに添えている二本の指を使って、周期を二倍になるようトライしてもらいます。二倍にするために生徒さんは相当な努力が必要なことは明白で、ティーを支えている貴方も力が必要になります。

背骨を中心とした回転の自然なリズムはそれほどの努力なしで出来ることを生徒さんに理解させてください。このリズムは一定でそしてもし生徒さんが-両腕、両手首、両手、とパターを-一体化することが出来れば、それは生徒さん固有のリズムとなります。 この周期を速くしたり、遅くしたりするには相応の力が必要で、それゆえに他のエラーの原因につながることがあります。

ゴルファーは誰でも、両腕、両手、そしてパターの長さと重さが基になった、自分固有の自然なリズムを持っていることを説明してください。これらのパーツ(両腕、両手、パター)は振り子のように自然な周期、リズムを持っています。子供がブランコに乗っているように、子供の体重が重ければ、またブランコの支点から椅子までの長さが長くなれば1分間の周期は多くなります。

生徒さんにこのシステム(両肩、両腕、両手首、両手そしてパター)は振り子と同じようだと理解してもらうことがとても大事ですが、生徒さんが惑わないように指導者からパッティングのプレーンは古時計の振り子と違い垂直ではなく10度垂直から傾いているというような技術的な話を生徒さんに始めないようにしてください。指導者が理解すべきとても大事な違いは、パターの孤はセットアップで決まります、そして指導者の指導が正しく適切であればプレーンは正しく傾きます。生徒さんは垂直の振り子とパタースウィングの違いを考える必要はありませんし、生徒さんは自然なスウィングだけ考えればよいのです。

ノート* 垂直の(に近い)プレーンはサイドサドル パッティングの一つの形で可能です、上になる手をまっすぐにのばしてパターを持っている腕のわきの下に入れてパターを保持する方法かロングパターを使う場合です。 しかし、その場合そのスウィングを効果的にするためのパターデザインはたぶんルールで認められないでしょう。

自然な周期の見つけ方 

生徒さんの自然な周期を見つけるとても良い始めのポイントはパターを生徒さんに身体の横で振り子のように前後(ボーリングのように体側に沿って)に振ってもらいます。 この時の周期はあなたが見つけようとしている生徒さんの自然な周期とほぼ同じです。

肘、手首を曲げないことで背骨からパターヘッドまでの距離とほぼ同じ長さになります。グリップする力は本当に軽く、二本の指で持てるくらいの力加減です。

生徒さんにはそのまま、生徒さんが考えることなく出来る自然な周期で出来るようになるまでパターを振り続けてもらいます。自然な周期より速く振ったり、遅く振ったりしようとすると生徒さんはグリップを指で強く握ったり、肘や手首を曲げる症状が出てくることに気づきます。周期を変えるには自然な周期には必要ない力が加わることになり。その力はストロークへのエラーにつながります。

一度生徒さんが片手でパターを握った状態で自分の自然な周期を見つけることが出来れば、その周期は生徒さんが実際のストロークをするリズムにとても近いものになります。では生徒さんに両手でパターをグリップしてもらい、スウィングしてもらいましょう、右手の重さが加わることで周期はやや遅くなると思いますが、指導者は生徒さんの周期(リズム)を見つけましたので、生徒さんにはそれを身につけるように努力してもらいましょう。

プロにとって悪いリズムは大きな問題の一つです、それはプレッシャーがかかった時にリズムが変わるからです。良いリズムを保てることが上手な人と素晴らしい人とを分けるポイントです。本当に緩く握ったグリップが良いリズムを生みます、もしリズムを速くしようとするとグリップを握る力を強くしなければならなくなります。こぶしが白くなるまで握ったら、両腕の筋肉も硬直して本来自分特有のリズムでスウィングすることが出来なくなります。

             

重要な技術的課題  

パッティングストロークは重量分布や両腕、両手とパターの長さでつくられるものが振り子と同じ(近い)リズムをもってはいますが、全く同じようにはなりません。パッティングストロークはアドレスの位置-弧の最低点-からバックスウィングが始まり、トップ・オブ・スウィングに至ります。トップ・オブ・スウィングからはパターヘッド、両腕等がもし制限されていなければ、重力によって加速します。この加速は弧の最低点に向かい減少し、フィニッシュの位置で止まるまで減速しながら動きます、そしてまた最低点に向かい動き始めます。

パッティングストロークは振り子に近似したリズムを持っていますが、トップ・オブ・スウィングからインパクトに向かって一定に加速し続けるために、トップ・オブ・スウィングで少しの力を加える必要があります。この力は意図的に加えてはいけません、多くの場合、その結果、速すぎる加速やコントロールを難しくするからです。後に片手のドリルでお話ししますが、身体がトップ・オブ・スウィングからインパクトまでの一定の加速をコントロールしているような加速が、良いパッティングのためのタイミングと正しい加速です。

生徒さんとこのような話をすることは出来れば避けた方が良いでしょう。しかし、振り子状の動作を生徒さんと継続していれば、生徒さんの正しいリズムの習得率は99%までいくでしょう。



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